大阪維新の会・大阪府議会議員団は、23日、議員定数を現行の109名から88名に削減する条例案を府議会に提出した。
しかしながら、地方公共団体の議会の議員は、首長や自治体の行政を監視し、行政の根拠となるべき条例を制定する役割を有している。大阪府の行政は、社会保障、教育、文化、環境、産業振興、雇用対策など、880万府民の生活と府下企業の事業の全般にわたっており、1万4000名の府職員・7800名の教職員・警察官が、その任務の遂行に当たっている。府議会議員は、こうした多岐にわたる大阪府の行政のあり方や、財政が適正に執行されているかなどを監視し、議会での質問や政務調査活動や条例案の提出を通じて、よりよい府政の実行のために日々活動しているのである。このような府議会議員の役割に照らせば、現行の109名でもなお少ないというべきであって、削減をする理由は乏しいといわざるを得ない。
しかも、定数削減によって、定数1の小選挙区が現行の33から48に増えてしまう。このような選挙制度のもとでは、得票率と議席獲得数の著しい乖離が生じ、有権者たる府民の意思が公正に反映されなくなる。また、「1票の格差」も約3倍になり、民主的な選挙制度とはいえない。
以上のことから、当協会は、府議会議員の定数を削減する条例案の廃案とともに、府民の民意が公正に反映される民主的な選挙制度の創設を求めるものである。
2011年5月25日
民 主 法 律 協 会
会 長 萬井 隆令