維新府政となって11年、この間の府民生活を振り返れば、「身を切る改革」「二重行政の無駄」を理由とした住民サービスの切り捨てが続いている。
昨年の台風21号の際には、大阪府下全域で甚大な被害を受けているにもかかわらず、府・市とも災害対策本部を設置せず、沖縄知事選挙の応援や「万博誘致」のヨーロッパ外遊を優先した。府民のいのち・安全を軽視する無責任な姿勢を浮き彫りにした。
労働者・労働組合に対する関係では、大阪市労組に対する団交拒否をはじめ、衛星都市でも不当労働行為が続いている。これまでのたたかいを踏まえ、維新政治による権利侵害に打ち勝ち、公務職場での労使関係の正常化、独立行政法人化の際の労使関係の再確立、公務労働者の労働基本権回復などのたたかいの具体化が求められる。
ダブル選挙後、大阪都構想をめぐる情勢は、大きな局面を迎えている。反対の姿勢をとっていた公明党大阪府本部が賛成する立場に転じ、自民党大阪府連は、維新との「連携」を打ち出している。このような党利党略が透けて見える身勝手な姿勢の大転換に府民から怒りの声が上がっている。
さらに、維新の会は、関西財界と一体となったベイエリアでの大規模開発に前のめりになっている。大阪府市一体で人工島・夢洲でのカジノ・IRを成長戦略に据え、大阪万博の名のもとに、地下鉄などの延伸、夢舞大橋の拡張、超高層「夢州タワー」駅ビルなど巨大開発計画が目白押しである。
しかし、カジノ誘致は、どの調査でも「反対」が多数を占めている。万博・IR・カジノの3点セットで大阪経済を回復するという嘘とごまかしを打ち破るためにも、引き続きギャンブル依存症の危険性やカジノに経済効果はない実態を知らせていくことが重要である。
「カジノより福祉・医療・教育」「カジノより中小企業支援の拡充」などカジノ誘致を許さないことを旗印にこれまですすめてきた「反維新」の共同をさらに発展させ、「住民投票阻止・大阪都構想反対」の運動を強化していくことが重要である。
当会は、大阪都構想をはじめとした維新政治の問題に対し、多くの市民、団体と連携して断固たる反対の取組みを強めていく。
2019年8月31日
民主法律協会第64回定期総会