2019年2月24日、沖縄県民投票で、投票総数の71.7%が辺野古の埋立てに反対し、沖縄の民意が直接かつ明確に示された。
それを受けて、玉城デニー知事は、首相官邸で安倍晋三首相と面談し、「県民の思いを真正面から受け止め、工事を止めてほしい」と辺野古埋立て工事の中止を求めた。
これに対して、安倍首相は「普天間の危険な状況を先送りできない」と従来の主張を繰り返すだけで、これに応じない考えを示した。そして、防衛省沖縄防衛局は、新たな護岸「K8」の造成作業を強行し、今また新たに土砂投入を開始した。
辺野古では軟弱地盤が見つかり、工事の長期化を余儀なくされており、辺野古への固執は、事実上、普天間飛行場の固定化に他ならない。
それにもかかわらず、埋立て工事を強行することは、辺野古の埋立てを既成事実化しているだけである。
政府の対応は、これまでにも増して沖縄県民の意思を踏みにじり、日本の民主主義を深く傷つけるものである。
そして、政府の対応を静観することは、それ自体、沖縄に基地問題を押しつける根本原因である。
さらには、2019年4月21日、衆院沖縄3区で補欠選挙が行われ、辺野古の埋立てに正面から反対する屋良朝博氏が、容認する島尻安伊子氏に大差をつけて当選した。
今こそ、沖縄の現状に思いを寄せて声を上げ、辺野古の問題を日本社会全体の問題として全国的に議論をするべきである。
民主法律協会は、沖縄県民の意思を黙殺する日本政府に対して強く抗議し、改めて、辺野古埋立て工事の即時中止と沖縄県との協議の開始を求める。
2019年5月7日
民 主 法 律 協 会
会長 萬井 隆令