12月13日夜、米軍普天間飛行場所属のオスプレイが名護市沿岸に「墜落」した。米海兵隊と防衛省は「不時着」と発表しているが、大破した機体の状況からすれば、操縦不能となって「墜落」したというべきものである。
オスプレイの墜落現場は居住地域にほど近いところにあり、一歩間違えば多数の死傷者を出す大惨事になりかねない重大事故であった。
それにもかかわらず、在沖縄米軍トップの地位にあるニコルソン四軍調整官は、抗議した安慶田光雄沖縄県副知事に対し、謝罪をせず、それどころか「パイロットは住宅、住民に被害を与えなかった。感謝されるべきで表彰ものだ。」という植民地意識丸出しともいうべき発言をし、不安に慄く住民の感情を逆なでした。
さらに、米軍は事故の原因を徹底究明することなく、またこれを機にオスプレイの安全性を確認することもなく、沖縄県と県民の抗議を無視して、事故からわずか6日後の同月19日には飛行を再開し、日本政府もこれを容認した。
オスプレイは日本に配備される以前から墜落等の事故が相次ぎ、いくつもの構造的な欠陥を指摘されていた機体である。同じ13日夜には事故機とは別のオスプレイが米軍普天間基地に胴体着陸する事故も起きた。
日米両政府は、オスプレイを日本各地に配備し、日本全土を訓練・出撃拠点とすることを計画している。この計画が実行されれば、墜落による大惨事は日本全国で起こりうるものとなり、国中に不安が渦巻くことになる。
民主法律協会は、従前からオスプレイ配備に反対してきたが、今回の墜落事故を引き起こしながら飛行再開を強行した米軍及び再開を容認した日本政府に抗議するとともに、日米両政府に対し、あらためて日本からオスプレイの即時撤退を求める。
2016年12月28日
民 主 法 律 協 会
会長 萬井 隆令