労働法制に関するアンケート結果について(大阪)
2017年10月16日
民主法律協会
2017年10月22日、衆議院選挙の投開票が行われます。
労働分野では、一定の労働者を残業時間規制から除外する高度プロフェッショナル制度、裁量労働制の拡大、残業時間規制、解雇の金銭解決制度の導入、非正規労働者の拡大と均等待遇などが大きな社会的論点となっています。
このたびの衆議院解散では、新たな政党が設立され、労働法制に関する政党の考え方が見えにくくなりました。
そこで、当協会では、大阪選挙区の候補者及び各政党に対し、2017年10月5日から同月11日にかけて大阪選挙区の立候補者及び自民、公明、希望、共産、立憲民主、維新の各政党にアンケート質問票を郵送で送付し、同月14日までにFAXで回答をいただきました。
政党に対するアンケートは、自民、公明、共産、立憲民主、社民から回答があり、希望、維新からは回答がありませんでした。
候補者に対するアンケートは、23名(自民1、公明1、共産12、立憲民主5、維新1、社民1、無所属2)から回答がありました。
政党に対するアンケートの回答結果の概要は次のとおりでした。
① 高度プロフェッショナル制度(一定の年収以上の労働者について書面の締結等一定の要件下で残業時間規制の適用を除外)について、自民は賛成、共産、立憲民主、社民は反対、公明はどちらともいえない、希望、維新は無回答でした。
② 裁量労働制(みなし労働時間を定めれば実際の勤務時間にかかわらずその時間分勤務したものとみなされる制度)の営業職、管理職への拡大について、自民は賛成、共産、立憲民主、社民は反対、公明はどちらともいえない、希望、維新は無回答でした。
③ 残業時間の上限を規制すること自体については、回答のあった自民、公明、共産、立憲民主、社民はすべて賛成でした。しかし、100時間の例外を設けることについては、共産、立憲民主、社民は反対でした。希望、維新は無回答でした。
④ 非正規労働者の増加についてどう考えるかについて、共産、立憲民主、社民は増加を抑制すべきと回答しましたが、自民、公明はどちらともいえないとの回答でした。希望、維新は無回答でした。
⑤ 解雇の金銭解決制度の賛否について、自民、公明はどちらともいえないとの回答でした。共産、立憲民主、社民は反対でした。希望、維新は無回答でした。
⑥ 外国人労働者の増加について、自民、公明は賛成、共産、立憲民主、社民はどちらともいえないとの回答でした。希望、維新は無回答でした。
⑦ 最低賃金を1000円にすることについては、回答のあった自民、公明、共産、立憲民主、社民すべての政党が賛成でした。ただ、自由記載欄のコメントによると、自民、公明は全国加重平均(地域差を前提)、共産、立憲民主は全国一律での1000円を目指すとしています。希望、維新は無回答でした。
各候補者及び各政党のコメントを含むアンケートの回答結果の詳細は、「2017年衆議院選挙 大阪選挙区 労働法制に関するアンケート結果一覧表」をご確認ください。
来るべき衆議院選挙での投票先の参考にしていただく、アンケート結果を公表します。
ぜひご活用いただければと存じます。