大阪市役所労働組合 竹村 博子
2月1日付で、最高裁は「市労組・市労組連の組合事務所使用不許可の取り消しを求める裁判」について「上告棄却」「上告不受理」の決定を行いました。あまりにも突然の「決定」に考えを整理する余裕もなく、3週間が過ぎてしまいました。しかし時間がたつにつれ、「最高裁は何も見ていない」「司法の正義はどうしたんだ」との怒りがわいてきます。
大阪高裁の異常な判決
2014年9月に出された大阪地裁の判決は、組合側の主張を認め、橋下前市長と大阪市の不当労働行為を断罪しました。しかし大阪高裁は2015年6月に地裁判決を覆し、橋下前市長と大阪市の主張を鵜呑みにし、擁護するような判決を出しました。「橋下市長は市民感覚に合うように是正しようとしただけ」「不当労働行為であっても直ちに違法とは言えない」ととんでもない理屈をつけて、「平成24年度のみ違法、平成25・26年度は適法」「組合事務所の退去と家賃の支払い」を命じました。
不当労働行為は「憲法違反」
2011年に市長に就任した橋下徹氏は労働組合を嫌悪し、排除することを目的に市職員と労働組合に対しての攻撃を強めてきました。その目的は「物言わぬ公務員」をつくり、職場の民主主義を奪い市長言いなりの職員体制を作ることでした。職場を破壊し、自治体労働者としての働きがいと誇りを奪うものです。
この問題は「全ての労働者の権利侵害」につながる憲法に関わる問題であり、このことがまかり通れば全国の労働組合、民間の労働組合にも波及する。そして職員への権利侵害は市民サービス切り捨ての露払い、自治体破壊につながる。そんなことは許してはいけないと、私たちはたたかってきました。私たちのたたかいは、維新の政治の横暴を許さず、自治体破壊を許さないたたかいの一翼を担ってきたと確信しています。
真正面から闘えたのは仲間のおかげ
そして私たちはこの5年間、先が見えず苦しい時もありましたが、たくさんの仲間に励まされ、支えられ乗り越えてきました。組合事務所を本庁舎から退去せず、たたかう事を選択してよかったと心の底から思っています。不十分な点や反省することもたくさんありますが、裁判闘争で得た教訓は次のたたかいに生かしていきたいと思います。厳しいたたかいでもその道を選択しなくてはいけない時があります。社会の不条理に抗い、あきらめずに声を上げ続けることが次のたたかいにつながり、社会を変えていく力になると信じています。引き続き、市民と労働者の権利を守るたたかいに奮闘する決意です。