民主法律時報

全国初!派遣社員が無期雇用転換 

民放労連京都放送労働組合 特別執行委員 古 住 公 義

民放労連京都放送労働組合は、雇用の不安定な構内スタッフ(非正規労働者) のみなさんを守ろうと長年格差是正の闘いに取り組んでいます 。特に派遣社員の3年有期雇用を守るため派遣先・京都放送への直接雇用化と常勤アルバイトの雇用安定のための無期雇用転換は、力を入れて取り組んでいます。

去年10月常勤アルバイトの女性組合員(テレビ進行支部)が無期雇用転換を実現しました。去年7月に11人目の無期雇用転換を実現した常勤アルバイトの男性組合員 (報道映像支部) に続いて12人目となりました。女性組合員は「京都放送に入った時は一生働くとは考えられなかった。組合に加入して良かった。ここまで丁寧にしてもらった組合に感謝しかない」と相好を崩していました。

女性組合員は、まず派遣社員として京都放送に入り、組合に加入して3年経って全国で唯一の派遣社員直用化の労働協約を使い組合要求を出して京都放送へ直接雇用(常勤アルバイト・有期雇用3年)を実現しました。3年満期となったもののさらに2年間延長し去年10月で5年満了となりました。満了後も要求を出して10月1年間の雇用期間延長を勝ち取りました。これを受け、女性組合員は、組合のアドバイスを受け労働契約法18条に沿って無期雇用転換を申し入れ、京都放送社長から申し入れの受領書を受け取り無期雇用転換が実現しました。

これまで11人目の無期転換者が誕生しましたが、今回の女性組合員のケースのように「派遣社員から京都放送への直用化」「そして京都放送の被雇用者となり有期雇用3年を2年延長させ無期転換を実現」したのは、初めてです。つまり京都放送では初の派遣社員の無期雇用化が実現したのです。

全国でも初めてのケースです。2015年の安倍政権による「生涯ハケン」の派遣法大改悪をはね返しました。世間では、大学や理化学研究所、自治体では会計年度任用職員制度などで無期雇用転換を前に雇い止めが横行している中で派遣先に直用化した上での今回の無期雇用転換は評価できるものです。

組合は、先陣を切ったこの経験を教訓に、将来は、KBSに働く構内スタッフは、すべて無期転換となり雇用に心配なく働き続けられるように取り組みを強化していくことにしています。なお、この女性の賃金は、3年前の同一賃金闘争で社員の8割までアップしました。

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