【第1分科会】
裁判・労働委員会闘争の課題を展望する
本年の第1分科会は「裁判・労働委員会闘争の課題を展望する」と題して開催します。
前半は、不当労働行為に立ち向かうために過去の経験から教訓を学びます。建交労大阪合同支部の松澤伸樹書記長をスピーカーとして、これまで取り組んだ組合活動の成功談、失敗談を話していただきます。「あるある」という話、ヒヤリハットの話など、参考になる経験を共有します。
後半では、司法と労働裁判について考えます。元裁判官や元裁判所職員の方々をスピーカーにお招きします。裁判所が労働事件をどのように見ているか、裁判支援の運動がどのように裁判所に伝わっているかなどを話していただきます。普段はなかなか聞けない、裁判所の視点からの話が聞けると思います。
本年は会場のみの開催とし、オンラインを併用いたしませんのでご留意ください。その分、忌憚のない質疑や活発な意見交換が出来るはずです。積極的なご参加をお待ちしています。
【第2分科会】
働く人の平等を!なくそう非正規差別!
第2分科会は、今年も派遣労働問題研究会と有期・パート・非常勤問題研究会の合同で開催します。
当日は、「働く人の平等を!なくそう非正規差別!」をテーマに、主に、パート労働者と派遣労働者の「均等待遇」に関する問題やこれまでの取組みについて議論します。
パート・派遣非正規労働者の「均等待遇に向けた取組み」では、郵政ユニオンから、旧労働契約法20条裁判で勝ち取った非正規格差是正と労働条件引き上げの成果をご報告いただきます。福祉保育労や全港湾からも具体的な取り組み事例や課題について報告いただく予定にしています。
また、「これでいいのか!?公務非正規」というテーマで、自治体の「会計年度任用職員」の問題についても学習し、議論していきます。自治体職員は安定し恵まれた働き方だと思われがちですが、実際は短期契約で低賃金という問題を抱えています。大阪自治労連から、非正規公務員のリアルな現状をご報告いただきます。
第2分科会では、無期雇用・均等待遇・直接雇用といった当然認められるべき労働契約の締結を実現するために、明日からでも職場での取り組みに活かせるよう「模擬団体交渉」も行います。盛りだくさんの内容になっておりますので、多くの方にご参加頂ければ幸いです。団結・連帯の輪を広げるため奮ってご参加ください。
【第3分科会】
命と健康を守る
第3分科会では、「労働時間の上限規制適用猶予の撤廃によって労働者の命と健康が守られるのか―研修医過労自殺事件から考える―」、「2023年9月改定精神障害の労災認定基準の内容を学ぼう」という二つのサブテーマを設け、報告・討議を予定しています。
働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成30年法律第71号)により改正された労働基準法により、労働時間の上限が定められました(2019年4月(中小企業では2020年4月)から適用)。
しかしながら、工作物の建設の事業、自動車運転の業務、医業に従事する医師等は、上限規制の適用が猶予されていたところ、2024年4月から、適用となります(いわゆる「2024年問題」と言われるものです)。
これら上限規制の適用猶予が撤廃されてもなお、上限規制の例外が認められる場合があることや、そもそも、上限規制違反とならないよう、違法とも評価される労働時間管理がなされる実態について、研修医の過労自殺事件を題材に、担当している弁護士、ご遺族からご報告をいただきます。
また、今年9月に改定をされた、精神障害の労災認定基準のポイントについても弁護士から報告予定です。
是非、沢山の方のご参加をお待ちしております。
【第4分科会】
「雇用によらない働き方」トラブル解決の手引き
第4分科会では、「中小零細事業主のための独禁法研究会」の企画により、フリーランス、ライドシェア、フランチャイズなどに関する諸問題について、学習や議論を行います。オンライン会場は設けず、エル・おおさかの会議室で対面での開催とさせていただきます。
フリーランスの問題については、全国的に相談件数が増加しているところであり、労働法その他の法令や各種の解決機関を使って、様々な問題についてどのような対策を取りうるのかを知ることが大切です。そこで、まず、ウーバーイーツの配達員について労働組合法上の労働者性が、アマゾンの孫請けの配達員について労働基準法(労災補償法)上の労働者性が認められた各事件について、弁護団員の平井康太先生(東京法律事務所)から報告をいただきます。また、2024年に施行されるフリーランス保護法の活用法と課題について、民法協会員の清水亮宏弁護士(関西合同法律事務所)から報告をいただきます。
ライドシェア(自家用自動車での有償運送)については、自交総連大阪地連書記長の庭和田裕之さんから、日本国内での解禁をめぐる情勢や、制度の問題点などについて報告をいただきます。
その他にも、コンビニ本部からの契約解除をめぐって裁判闘争をしているフランチャイズの問題、公正取引委員会に独禁法違反の申告を行った損保代理店手数料ポイント制度の問題など、独禁法研究会のメンバーが行っている様々な取組みについて、現状報告や意見交換を行います。
ぜひ多くの方にご参加をいただき、最先端の経済的・社会的問題への対応を考え、行動につなげていく機会にしたいと思っております。
【第5分科会】
大阪の未来のために私たちが今できることを考えよう
第5分科会のテーマは「大阪の未来のために私たちが今できることを考えよう」です。
大阪では、十年以上の長きにわたって「大阪維新の会」が行政運営を担っており、「身を切る改革」の名の下に、自治体業務の民間委託や民営化が進められ、のみならず、公立病院や市立保育所等のエッセンシャルワークについても民間移管が進められています。第5分科会では、教育や福祉の現場の当事者の方々のお話を伺い、維新政治の下における公務労働や医療・福祉の労働現場の実態について学びます。
一方、東京都杉並区では、2022年6月に行われた区長選挙において、公共政策の専門家である岸本聡子さんが勝利を収めました。岸本さんは「公共サービスの民間委託や民営化が住民へのサービスを向上させたのかを検証すること」を政策の一つに掲げており、岸本さんの勝利は、新自由主義と訣別しようとする自治体の誕生と評価されています。第5分科会では、岸本聡子さんの選挙対策部長であった内田聖子さんをお招きし、杉並区長選での経験談や杉並区の活発な市民運動についてのお話を頂きます。内田さんのお話をヒントに、大阪において「公共」を住民の手に取り戻し、真の住民自治を実現するために、今、私たちができることは何か、皆さんとともに考えたいと思います。
大阪の明るい未来のために、ともに考え学びましょう。みなさまのご参加を心よりお待ちしております。奮ってご参加ください。