【第1分科会】
激動する社会情勢と裁判・労働委員会闘争
社会のデジタル化が進み、組合活動のあり方や裁判・労働委員会の審理方法にも影響を及ぼしています。労働法制の面では、再再度、解雇の金銭解決制度が持ち出されようとしています。労働組合や当事者の皆さんも、日々、激動する情勢に悩みながら、裁判・労働委員会での闘いに臨んでおられるのではないでしょうか。
前半は、建交労大阪府本部書記長・荻田智さんをスピーカーに迎え、自ら争議を闘った経験、組合書記長として争議支援に取り組んだ活動から語っていただきます。また、解雇の金銭解決制度や民事裁判のIT化について、労働組合の立場から意見交換を行います。
後半は、出版労連書記次長である北健一さんがゲストです。ネット社会でSNSなどの宣伝ツールが拡大する一方、使用者企業側から、労働者が提訴されることが、ままあります。また、和解の際に口外禁止条項をめぐり対立することもあります。労働組合の情報発信のあり方について討論します。
当事者、労働組合の皆さんから、進行中の争議について、ご報告や、忌憚のない質問・意見を出していただき、交流する時間もじっくり取る予定です。多数のご参加をお待ちしています。
【第2分科会】
許すな雇止め! 目指せ均等待遇! 取り戻せ直接雇用!
第2分科会は、派遣労働問題研究会と有期・パート・非常勤問題研究会の合同で開催します。
当日は、「許すな雇止め! 目指せ均等待遇! 取り戻せ直接雇用!」をテーマに、「雇止め」「均等待遇」「直接雇用」に関する問題やこれまでの取組みについて議論します。
「雇止め問題に関する取組み(研究者等に対する10年の雇止め、会計年度任用職員の3年の雇止め問題等を受けて)」では、昨今問題となっている研究開発領域ないし大学における有期雇用をめぐる無期転換権の「10年特例」の問題点について議論します。大阪では、羽衣国際学園や大阪大学等で「10年特例」の適用が問題となっており、今後の法廷闘争や運動に繋げるためにも忌憚ない議論を行いたいと考えています。また、会計年度任用職員の3年の雇止め問題について、その問題点の所在を学習し、民間企業で働く労働者も含めて、運動に携われるように学習できる機会にしたいと考えております。
「均等待遇に向けた取組み」では、使用者に何を申し入れすべきか、どのように団体交渉を進めるべきか、具体的な事例をご報告いただき、均等待遇の実現に向けて私たちができることを学習し、議論していきます。
「直接雇用に向けた取組み~団交・承諾・宣伝~」では、直接雇用申込みみなし制度を活用するという観点から、運動の交流を目指します。特に、みなし制度に関して、この間判決が出された各事件について、訴訟だけではなく団体交渉や申告を通じた労働局の活用なども含めて、これまでの闘いの教訓や今後の闘いに向けた議論などを行う予定です。
第2分科会では、無期雇用・均等待遇・直接雇用といった当然認められるべき労働契約の締結を実現するために、明日からでも職場での取り組みに活かせる内容となるよう準備していますので、多くの方にご参加頂ければ幸いです。団結・連帯の輪を広げるため奮ってご参加ください!
【第3分科会】
いのちと健康を守る
第3分科会では、「いのちと健康を守る」をテーマとして、①労災認定上の労働時間概念についての理解を深め、②改定される改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)と③労災認定に対する事業主の不服申立制度導入問題を学び、いのちと健康を守るために何ができるかについて討論します。
2021年3月30日付で出された「労働時間の認定に係る質疑応答・参考事例集の活用について」(基補発0330第1号)は、労災認定における労働時間の認定を過度に狭めかねない内容となっています。この通達に対して、東京大学の水町勇一郎教授が労災認定上の労働時間概念はどうあるべきかについて論文を出される予定です。この論文について、川村遼平弁護士に報告していただきます。
1989年に策定された改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)について、現在、厚労省では改定作業が進められています。この改善基準告示について、トラック運転手の過労死事件を担当された中西翔太郎弁護士と自交総連大阪地連の庭和田裕之さんから、それぞれの立場で報告をしていただきます。
事業主が労災保険料認定決定に不服を申し立てる際に、労災保険支給決定(労災認定決定)における支給要件該当性(認定要件を満たしているかどうか)を争えるようにするという制度の導入の検討が進められています。この制度の概要や様々な問題点について、松丸正弁護士に報告していただきます。
本分科会で学ばれたことを、いのちと健康を守るための取組みに活かしていただければと思います。
みなさまのご参加及び熱い議論を心よりお待ちしております。
【第4分科会】
中小企業・フリーランス保護のこれから
第4分科会では、「中小企業・フリーランス保護のこれから」と題して、中小零細事業主やフリーランスが抱える問題や情勢について議論します!
近年、フリーランスを巡っては、政府によるフリーランス保護新法制定の動きや相次ぐ労働組合の結成等、情勢に動きがありました。フリーランスの保護の在り方が問われています。
今回は、労働政策研究・研修機構(JILPT)の研究員であり、フリーランスの実態や政策に詳しい呉学殊(オウハクスウ)さんから、フリーランス保護のために求められる政策の内容や、先進的な取組みをしている韓国の事例等についてご報告いただきます。
また、民法協の独禁法研究会では、労働組合の結成・活動の支援(ECCジュニアホームティーチャーユニオン等)も行ってきました。フリーランスの権利実現のためには、労働組合を通じた集団的交渉や組織化も非常に重要です。フリーランスを組織する労働組合から取組み内容をご報告いただき、フリーランスの権利実現と組織化について議論します。
さらに、独禁法研究会では、コンビニフランチャイズ問題、損保代理店の手数料ポイント制問題、大阪市の時短協力金不支給・返還問題などについても取組みを進めてきました。これらの取組みの報告を通じて、中小零細事業主・フリーランス・フランチャイズ加盟者が抱えている問題を共有するとともに、求められる取組みについて議論します。
【第5分科会】
ケースで学ぼう! ハラスメント問題
パワハラ、セクハラ、マタハラ、コロハラ(コロナハラスメント)、カスハラ、レイハラ(レイシャルハラスメント)など、近年様々なハラスメントが問題となっており、職場でのハラスメントに悩む労働者の方からの相談が非常に増えています。そこで、本分科会では、ハラスメントの中でも特に最近相談が多いパワハラ、セクハラ・マタハラ、コロハラについて取り上げ、実践的な学習・検討を行う予定です。
分科会では、これらのハラスメントについての一般的な学習を行うために、各ハラスメントについての基本的な考え方や、厚生労働省の指針(パワハラ指針・セクハラ指針)の内容、問題点や活用法についての報告、実際の裁判例などについての報告を行う予定です。
その上で、ハラスメントを受けた場合どう対応すべきか、またそのような相談が来たらどのように対応・アドバイスすべきかについて、具体的な事例をもとに、参加者の皆様と一緒に検討する予定です。この具体的な事例についての検討の際には、参加者の皆様からも職場のハラスメントについて報告いただき検討したいと考えていますので、今まさにお悩みの事例があれば、是非本分科会に持ち寄っていただければと思います。
以上のとおり、相談の多いハラスメントについての実践的な分科会となっていますので、是非本分科会にご参加下さい。