民主法律時報

豊川義明弁護士出版記念会が 開催されました

弁護士 城塚 健之

 豊川義明副会長(以下、著者)が2019年9月に日本評論社から『労働における事実と法―基本権と法解釈の転回』を上梓されたことは、鎌田幸夫弁護士により民主法律時報2019年 月号で詳しく紹介されているとおりです。そのお祝いの会が、萬井隆令会長、西谷敏大阪市大名誉教授、菅義人大阪労連議長、大川真郎弁護士ほかの呼びかけにより、2020年9月 日、エル・おおさかにて、開催されました。

会の持ち方については、あらかじめ著者から、「単なるパーティでは心苦しいので若手弁護士のみなさんと議論をする場にしたい」という、(ありがたくもちょっと面倒くさい)リクエストがありましたので、著者から「この本で伝えたかったこと」と題するミニ講演をいただき、それをふまえて若手弁護士と質疑応答をしていただくという構成としました。

ところで、本来は4月開催を予定していたのですが、コロナ禍のため、何度も延期を繰り返す羽目となりました。それでも何とか出版から1年以内には、という思いから、第2波の推移を見定めつつ、この日の開催となった次第です。感染防止のため、懇親会の設定は見送らざるをえませんでしたが、その反面、著者の(面倒くさい)リクエストが生きてきたのでした。

当日は、本書を読んだ人もまだの人も含めて 名のご参加をいただきました。司会は、民法協 周年記念パネルディスカッションで著者と議論ができて嬉しかった、ぜひ恩返しがしたかったという清水亮宏弁護士。
開会のご挨拶は萬井会長。ここで萬井会長が“辛口評論 ”を始めるものですから、聞いている方はドキドキしたのですが、要は菅野教授の批判をもっと書いてほしかったし、若手弁護士も菅野説を信奉するのはたいがいにしろ、というのがその趣旨でした。

次いで著者からのミニ講演、そして西田陽子、藤原航、佐々木章各弁護士からの質問とこれに対する著者の応答が続きました。質問には私自身が聞きたいなと思っていたものも含まれており、さすが若手のみなさんが一生懸命準備してこられたことが分かりました。

また、関学ロースクールの同僚である池田直樹弁護士から、著者が学内で学生を励ますためにバナナを配ってまわっているという、まさに著者のお人柄が伝わってくるエピソードを紹介。併せてロースクールの現状及び将来についての質疑がなされました。このほか、著者と付き合いの長い吹田市職労の坂田俊之委員長、大阪市労組の井脇和枝委員長からもお祝いの言葉をいただくなど、著者の多方面にわたるご活躍ぶりを改めて浮き彫りにする場となりました。

最後は、大川弁護士から、労働法を極めてこられた著者への敬意の込められた閉会のご挨拶をいただき、充実の1時間半が瞬く間に終了となりました。

本書については、民主法律時報だけでなく、自由法曹団通信(城塚)、季刊労働法(宮里邦雄弁護士)、季刊・労働者の権利(鴨田哲郎弁護士)、労働法律旬報(三井正信広島大教授)、法の科学(塩見卓也弁護士)など、さまざまな媒体で紹介がなされています。
未読の方はぜひこれを機会にお読み下さい。

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