大阪市公務公共労働組合 書記長 武 久 英 紀
2013年度、長く懸案だった交通費が改定されました。
大阪市立大学の短時間勤務職員は、大阪市立大学が独法化になる以前からアルバイト職員として働いていました。雇用形態は、2か月契約で更新を繰り返し、長い人では10年以上、短い人でも1年以上更新されてきました。7年前に大阪市立大学が独立学校法人に切り替わり、やっと雇用形態が改善されると思っていましたが、今度は1年契約で更新は最長5年まで(必要な場合は再更新あり)という雇用形態になりました。
このため短時間勤務職員に対する交通費は長らく、大阪市のアルバイト職員の通勤費規定の通り、出勤日一日あたり460円(地下鉄2区往復)、一月あたり21日分、つまり月額9660円が上限でした。2003年9月の大阪市公労・市大分会結成直後から何度も改定と460円の根拠の説明を求めてきましたが、納得できる回答を得られたことはありませんでした。日額の根拠は大阪市営地下鉄2区の普通乗車料金(片道)×2、月当たりの日数は平均出勤日数で、祝日のない月は出勤日数そのものが21日を越えることがあるため、ほとんどの短時間勤務職員は交通費が持出しになっていました。最寄り駅が地下鉄の駅ではない場所への交通費に地下鉄の乗車料金を算出の根拠としている理由は「昔からそうだから」という以外になく、これまでの交渉では、大学側には「改定を考える理由もモチベーションもない」という態度が透けて見えていました。
一昨年から、労働契約法をバックに交通費の実費支給について粘り強く交渉した結果、ようやく通勤経路の6ヶ月定期券の額(上限5万5000円)が2013年7月1日から(4月1日に遡及して)支給されることになりました。
労働契約法20条で規定されている「期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止」において、交通費支給の格差が“不合理”と認定され得るということが改定を考える理由になったものだと思われます。この改善で、非正規職員(短時間勤務職員・臨時雇用職員など)全員の通勤費が改善されたことになります。
交通費は改善されましたが、無給の休暇制度(例:生理休暇・産前産後休暇)など短時間勤務職員が不合理だと感じている労働条件は他にもあります。
また、非正規職員にも種類があり、正規職員に限りなく近い労働条件で働いている特定有期雇用職員(キャリアスタッフ)と、今回改定された交通費以外ほとんどの条件でかなりの格差がある短時間勤務職員が同一職場にいて、雇用更新年限の差、有給休暇の差、正規職員への登用や賞与の有無など、今後も改善を求めていくべき問題がたくさん残っており、引き続き改善にむけて組合員・職場のみなさんといっしょにがんばりたいと思います。