民主法律時報

2025年権利討論集会 分科会報告

第5分科会 どうなる大阪万博?~万博から大阪の未来を考える~

大阪法律事務所 弁護士 加苅 匠

 第5分科会は、「どうなる大阪万博?~万博から大阪の未来を考える~」と題して、開催が迫っています大阪万博の問題を考える分科会を開きました。はじめに、大阪市民ネットワーク代表の藤永のぶよさんより、大阪万博の問題点を総復習するような特別報告「夢洲には危険がいっぱい!大阪万博大赤字」をいただきました。膨れあがる費用、液状化&ふわふわゴミ地盤、メタンガス噴出中、熱中症無対策、災害時の避難困難、ヒアリの森、むりむり交通計画、府民の無関心・・・、問題点を拾い上げるとキリがありません。膨大な資料や緻密な検討に基づく報告で、万博の危険性や杜撰さが浮き彫りになりました(藤永さんの報告資料はご提供いただきましたので、関心のある方は民法協事務局までご連絡ください。)。

続いて、現場・職場からの報告と意見交換を行いました。大教組の中川勉さんより万博子ども招待事業の問題点について、自交総連大阪地連の黒井真司さんより万博開催中の交通問題やライドシェア規制緩和の問題点について、府職労の茨木智志さんより万博優先の人員配置問題について、カジノ住民訴訟弁護団の島袋弁護士より万博会場と同じ夢洲で準備が進められているIR・カジノの問題や住民訴訟の現状について、大商連の大西克佳さんより府内の中小事業者の実情とその支援より万博を優先する不合理について意見をいただきました。現場で生じている矛盾や最前線で働く労働者・事業者の苦悩がひしひしと伝わりました。こういった現場の声をもっと市民・府民へ拡散していかなければならないと痛感しました。

最後に、日本中学生新聞の川中だいじさんから、中学生の視点で万博について語っていただきました。中学生は無関心(万博と言えばエキスポシティ)であること、子ども招待事業も学習ではなく万博へ行くこと自体が目的となってしまっていること、このツケは今の中学生ら将来世代へ回ってくることなど、問題の本質を捉えた鋭い意見が続きました。いずれの報告についても質問や意見が飛び交う積極的な分科会となりました。分科会の報告で得た情報を活かして、最後まで万博反対の声を上げ続けたいと思います。

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