民主法律時報

2025年権利討論集会 分科会のご案内

第1分科会
裁判・労働委員会の闘い方を掘り下げる

 

本年の第1分科会は、「裁判・労働委員会の闘い方を掘り下げる」とテーマとして三部構成で開催します。
第一部では、「判決・命令をどのように履行させるか」を考えます。裁判や労働委員会で闘い、勝訴判決や救済命令を勝ち取ったにも関わらず、使用者側が判決や命令を任意に履行しない場合があります。せっかくの判決・命令が絵にかいた餅とならないよう、過去の事例を踏まえて有効な方策を検討します。職場復帰を実現したエミレーツ航空事件・元原告の水岡さんと、争議中に会社が破産したアクアライン事件弁護団の西川裕也弁護士より、事件の経験をお話しいただきます。
第二部は、地裁から最高裁判決まで闘い、さらに、現在も差戻審で闘いが続いている羽衣学園事件を取り上げます。同事件は、過去の裁判・府労委委員会の例会などで取り上げてきましたが、今回は主に大阪高裁判決後の経過やその間の組合活動につき、弁護団の中西基弁護士や組合、原告の方々にお話しいただきます。長期にわたる闘いを踏まえ、最高裁での訴訟支援や今後の組合活動などを考えます。
第三部は、「労働組合を活性化させるには?」と題し、日本新聞労働組合連合の伊藤明弘さんに発言いただきます。昨今の労働基準関係法制研究会における労働基準法制見直しの動きも取り上げつつ、今後の労働組合の活性化を考えます。本年の第1分科会は、盛沢山の内容となっておりますので、皆様奮ってご参加ください。 (弁護士 片桐  誠二郎)


第2分科会

とにかく賃金を上げろ!非正規労働者の生活の安定を!

 

第2分科会は、今年も派遣労働問題研究会と有期・パート・非常勤問題研究会の合同で開催します。
当日は、「とにかく賃金を上げろ!非正規労働者の生活の安定を!」を大きなテーマに、主に、派遣労働者とパート労働者との均等待遇に関する問題やこれまでの取組みについて、報告・議論します。これまでの裁判・組合闘争を振り返り、今後、さらなる均等待遇の拡大と残された課題について検討をしたいと思います。
また、大手企業も新規参入するなど近年ますます拡大している「スキマバイト」の問題を取り上げます。スキマバイトは、労働者にとって好きなタイミングで仕事ができるとして、メディアにおいても新しい働き方として脚光を浴びています。そのようなスキマバイトについて、本当に新しい働き方なのか、一体どのような問題が潜んでいるのか学習し、議論していきます。そして、昨年度に実施し好評だったグループワークを今年も実施します。明日からでも職場での取り組みに活かせるような実践的な内容になっております。無期雇用・均等待遇・直接雇用といった当然認められるべき労働契約の締結を実現するためには、一人一人が当事者となって声を上げ、団結することが重要です。団結・連帯の輪を広げるためにも奮ってご参加ください。(弁護士 榧野 寛俊)

第3分科会
命と健康を守る

・デロゲーションなどによる労働時間規制の骨抜きにどう対抗するのか
・職場におけるカスタマーハラスメント対策―カスタマーハラスメント研究の第一人者、池内裕美関西大学教授によるご講演

当分科会では、大阪労働健康安全センター事務局長の丹野弘さん(元労働基準監督官)から厚生労働省に設置され2024年1月に始まった「労働基準関係法制研究会」の議論について、労働時間規制を中心に、ご講演をいただきます。労使コミニュケーションによって労働時間規制を無くす等の、労働者保護の視点からは大きな問題をはらむ議論の中身を知った上で、どうそれに対抗していくのか参加者の皆さんと検討したいと考えています。また、昨今、大きな社会問題として注目を集める「カスタマーハラスメント」に関して、各地で講演をされるなどこのテーマの第一人者である関西大学社会学部教授の池内裕美先生から、問題が起きる背景と実際の職場における具体策、また、使用者がとるべき対応策等についてご講演をいただきます。参加者の方からの労働現場のご報告も踏まえ、どういった解決策があるのかを検討したいと考えております。是非、多数、ご参加下さい!(弁護士 上出 恭子)

第4分科会
激増する外国人労働者、労組に何ができるのか

 

2023年、日本で働く外国人労働者がについに200万人を超えました。自分の職場にも外国人労働者がいるという人は少なくないと思います。いまや、建設、飲食、製造、介護など、日本の労働現場は、外国人労働者なくしては成り立たなくなりつつあります。しかし、他方で、技能実習生をはじめ、多くの外国人労働者の労働条件や職場環境は決して適正なものといえる状況にはありません。外国人労働者は職場の仲間であり、その労働条件が低く据え置かれることは、ひいては日本人労働者の労働条件にも悪影響を及ぼします。
そのような現状を踏まえ、民法協権利討論集会でも、5年ぶりに外国人労働者問題を取り上げる分科会を設けることにしました。第4分科会では、まず、外国人労働者の労働事件を多数扱ってきたマイグラント研究会の弁護士らが、外国人労働者の来日の背景や来日・就労の枠組みとなる在留資格制度についてわかりやすく解説します。次に、実例をもとにした事例の検討を通じて、外国人労働者がどのような問題を抱えているか、その解決にはどのような解決方法があるかを議論します。そして、そうした解説や議論を通じて、労働組合は、外国人労働者とどのように向き合うべきか、皆で一緒に考えたいと思います。皆さんのご参加をお待ちしています。(弁護士 四方 久寛)

第5分科会
どうなる大阪万博?~万博から大阪の未来を考える~

 

第5分科会は、開催が間近に控えた「大阪・関西万博」を取り上げ、大阪の未来を参加者のみなさまと考える分科会です。
軟弱な夢洲(土地)と費用の増大、ずさんな安全計画、遅れる建設問題、強引な子ども招待事業(教育)、交通手段・人出不足と無謀な解決手段(ライドシェア・バス運転手の突貫養成)・・・。大阪万博の問題点を挙げれば切りがありません。これまでも、民法協を含め多くの市民・市民団体から開催反対の声が上がっていましたが、国・大阪府市(大阪維新の会)は、これら市民らの声を聞き入れることなく、開催を強行しようとしています。分科会では、現場で動いておられる労働組合(建設、教育、交通関係)や市民・市民団体から、上記問題点について様々な角度から報告していただきます。加えて、万博強行の背景にある「IR・カジノ」の問題についても、住民訴訟を闘う弁護団より報告していただきます。これら大阪万博の問題点を改めて確認した上で、大阪の未来を考えるべく、意見交換を行いたいと思います。ぜひご参加いただき、大阪万博に対するみなさまの思いの丈をぶつけあいましょう!(弁護士 加苅 匠)

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