民主法律時報

裁判・府労委委員会例会 労働委員会制度について

 大阪争議団 新 垣 内 均

5月30日に裁判・府労委委員会「例会」が開催され、20名の参加者がありました。

冒頭、原野弁護士から「裁判・府労委委員会」例会では、実際に取組されている労働事件を議題に取り上げて原告や代理人から報告、参加者で議論する場であったが、事件件数が減少している。そこで今回は、基本に立ち返り労働委員会制度の基礎知識を学び、裁判と比較したメリット・デメリットを、須井弁護士に解説いただきます。との挨拶に続き、須井弁護士から労働委員会の役割・不当労働行為救済の目的や、労働委員会の組織及び、不当労働行為の類型など、労働委員会の手続きの流れと詳しい内容を13ページの解説書を使い解りやすく解説して頂きました。

私が気になったのが使用者性の解説で、命令例・裁判例の考え方として「労働契約関係ないしそれに隣接ないし近似する関係を基盤として成立する団体労使関係上の一方当事者」支配力説として「労働契約当事者ではないが、労使関係に対して現実に強い影響・支配力を持つ者も使用者と言うべきである」と裁判例を挙げ解説。「そうでなきゃダメ」と心でつぶやきました。

また、解説書には、不当労働行為救済の手続きと流れが労働委員会と裁判所の比較が詳しく記載され、申立て・調査・審問・最終意見・和解・命令・不服申立て・暫定的な権利保護まで解りやすかったです。解説の終わりに、労働事件は、労働委員会と裁判所の両方で闘ったほうが良いのでは、ただ費用がかさむのと労働委員会の場合は再審査が中労委・東京地裁・高裁・最高裁と長くなる事があるデメリットが挙げられました。

会場発言では、「和解」が話題になり、労働委員会では労働者委員と経営者委員で内容を詰めて行くという会場発言があり、裁判所との違いが報告されました。当日、資料として「労働委員会との懇談議事録」「労働委員会規則の一部を改正する規則(案)に関する意見書の結果について」などが配布されました。

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