おおさか労働センター 事務局次長 宮 崎 徹
3月5日、第2回労働相談学習会を国労大阪会館で開催、37人(9産別、7地域、弁護士等)の参加でした。川辺所長は「36協定は法定労働時間を超えて働かせるための例外規定。2024年問題を前に改めて36協定、労働時間を巡る相談にいかせる学習を」と挨拶しました。
1 労働裁判・労働委員会に見られる労働情勢の報告
民法協事務局次長の冨田真平弁護士(きづがわ共同法律事務所)が、昨年11月から今年2月までの労働に関する判例等について報告。ハラスメントに関する事案が多いこと、大阪地裁で和解金に関する口外禁止条項を主文に盛り込んだ労働審判が出たことが特徴的でした。特に口外禁止条項は争議解決時のビラや機関誌に関わる問題。今回は労働者側が禁止条項を不服とし民事裁判に移行したため、労働審判の効力は生じていませんが、労働組合として引き続き注視していくべき問題です。
2 学習会「入門編・36協定について」
民法協事務局の江藤深弁護士(えとう・ふかし=エヴィス法律会計事務所)を講師に「入門編・36協定について」学習しました。まず法定労働時間(1日8時間、週40時間)と法定休日(週1日、4週で4日)が労働基準法(以下、労基法)に規定されているが、これは使用者を規制して労働者の心身の健康を守るための規定であること。使用者が法定労働時間を超えての労働や休日労働をさせるためには労基法36条に基づく労使協定が必要なこと。協定締結のため必要な労働者代表とその選出方法。協定すべき事項。締結した協定の届け出義務。違反した場合の刑事・民事の判例等36協定に関わる説明がありました。
また時間外労働(休日労働を含む)は労基法で上限規定があるが、特別条項を締結すれば過労死ラインを超える時間外労働をさせることが可能になる点を指摘、安易な協定は過重労働・長時間労働を職場に持ち込ませることに留意すべきとの指摘がありました。さらに36協定自体が例外規定であることの認識、時間外労働をさせられる理由と場合等についての協議と協定書への明記が重要であると強調されました。
労組として36協定と労働時間、所定労働時間と賃金についての職場討議や学習の重要性を再認識した学習会でした。