民主法律時報

ブラック企業対策!労働判例研究ゼミ

弁護士 片 桐 誠 二 郎

お世話になっております。新事務局の片桐です。私は、この度、前事務局の垣岡彩英弁護士の後任として「ブラック企業対策!労働判例ゼミ」を引き継ぎました。今回は、10月23日に開催した労働判例ゼミについてご報告させていただきます。

前回の判例ゼミでは「残業代請求と歩合給」をテーマとし、本年8月に東京地裁立川支部にて判決が言い渡されたサカイ引越しセンター残業代訴訟をはじめとして、残業代請求における歩合給について判断を示した裁判例の検討を行いました。

判例ゼミでは、裁判例の検討前に賃金が歩合給に該当する場合とそうでない場合とで残業代を算定するにあたりどのような差違があるのかを確認した上、サカイ引越センター残業代訴訟は私が報告させていただき、ヤマト運輸(業務インセンティブ・控除措置)事件を米田直人先生、名鉄運輸事件を青木克也先生にご報告いただきました。

上記3つの裁判例を通し、サカイ引越センター残業代訴訟の東京地裁立川支部が歩合給について、「労働者の賃金が労働給付の成果に応じて一定比率で定められている仕組みを指すものと解するのが相当であ」るとした上で、「現業職の労働給付の成果とは作業量や運転距離である」としている点で従来の裁判例と異なって新しい捉え方であり、労働者にとって有利な判決であることを確認しました。

当日参加された方々から、様々なご意見、ご指摘があり、大変有意義な判例ゼミとなりました。ご参加いただきました皆様には感謝申し上げます。

次回は、12月18日(月)午後6時から民法協事務所(Zoom併用)で開催いたします。次回テーマは決まり次第ご連絡させていただきます。従前と異なり、開始時刻が午後6時30分から午後6時に変更となっておりますのでご注意ください。ご都合がつくようでしたらご参加のほど宜しくお願い申し上げます。

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