民主法律時報

第4回労働相談懇談会「請負・フリーランスからの相談 への対応について」

おおさか労働相談センター 相談員 舛田 佳代子

入門編Part4 請負・フリーランスからの相談の対応について

7月11日(火)、国労大阪会館で第4回労働相談懇談会を開催しました。今回は労働相談入門編Part4として「請負・フリーランスからの相談への対応について」学習しました。講師は民法協事務局の青木克也弁護士にお願いし、5産別・4地域・その他28名の参加がありました。

情勢報告

民法協事務局の佐久間ひろみ弁護士から今年4月以降の注目すべき裁判例など情勢報告がありました。内部告発の資料持ち出しで懲戒処分を受けた京都市職員に対して、京都市に慰謝料の支払いを命じた京都地裁判決、無期転換を前にした元非常勤講師の雇止めに対して、雇止め無効として賃金の支払いを命じた京都地裁判決、出血性胃潰瘍で死亡の男性に消化器系の病気では異例の労災認定、建設アスベスト訴訟で建材メーカーなどに賠償を命令した大阪地裁判決などの報告がありました。

学習会

学習会冒頭、青木弁護士は「雇用契約でないからと諦めず、就業実態をつぶさに確認し労働者に該当するかどうかを検討することが出発点になる」との指摘がありました。労基法上の労働者性と労組法上の労働者性それぞれの判断要素を丁寧に解説されました。

労基法上の労働者性では、仕事を受けるときに自由があるかないか、業務上の指揮監督があるかないか、時間や場所の拘束があるかないかなどが判断要素となること。労組法上の労働者性では、必要な労働力を確保する目的か、評価や研修で管理されているか、相手会社の制服着用や名刺使用などが求められるか、相手会社以外の契約を禁止されている又は困難な状況にあるか、労務内容を相手が一方的・定型的に決めているか、報酬が労務に対する対価やそれに類する性格(仕事の完成に対する報酬とは異なる)になっているかなどが判断要素になることなどが解説されました。

まとめでは、労働者性の判断基準はやや複雑なため、労働組合でチェックシートを作るのはどうかといった提案もありました。

フリーランス新法の解説も合わせ、学習した判断基準を念頭に相談者の話を丁寧に聞くという労働相談に関わる実践的な学習が出来たと思います。相談センターとしても相談者の実態を把握して問題解決のための組織化につなげたいと思いました。学習内容を基に参加者からは、引き続きフリーランスについての詳しい学習を求める声が出ていました。

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