民主法律時報

MBS(毎日放送)労働組合との懇談会及び派遣研究会新人勉強会

弁護士 米 田 直 人

 2023年1月26日(木)に、大阪市北区茶屋町にあるMBS(毎日放送)の労働組合を訪問し、懇談会及び新人勉強会を行いました。

 参加者の自己紹介の後、村田浩治弁護士から、「労働の商品化と闘う」と題する労働者派遣法に関する講演をしていただきました。労働組合の方と新人弁護士がともに労働者派遣法について勉強しました。

その中で、労働者派遣が禁止されていたが、徐々に解禁されていったという歴史や現在の労働者派遣の問題について知ることができました。労働契約申込みみなし制度、偽装請負や均等均衡処遇についても説明していただき、これはMBSを含め、様々な企業で問題になり得ると分かりました。

 労働組合との懇談会は、弁護士などからの質問にMBS労組が答えていく形式で話が広がっていき、大変盛り上がりました。

その中で、委員長が、テレビの影響力が下がり、担い手が少ない状況であり、労働条件を改善しなければ、入る人が少なく、抜ける人も増えてしまってテレビ局の継続的な発展が難しい現状にあると話されました。組合活動により労働条件を改善していくことが、より会社のためになるとMBS労組が考えていることが分かりました。

また、MBS労組には、支部としてグループ子会社の労組も含んでいて、子会社社員の労働条件改善のために、本社から子会社に対する業務委託費の改善にも取り組んでいました。

MBSでは、本社と子会社は業務委託契約を締結しており、本社社員と子会社社員が同じ現場で働いて、本社社員からの指揮命令がなされている場合もあるようです。さらに、この中にはフリーランスで働く人もおり、どのような雇用形態で働いているのかが周りの人から分からない人が多いようです。このままでは、偽装請負や均等均衡処遇などの労働問題が生じる可能性があると考えました。

そして、懇談会で話すうちに、MBS労組で組合活動の周知方法の新たな手段を見つけることができていました。

弁護士が労働組合と関わりを持つことで、労働組合についての知見を広げることができ、労働組合は労働問題にいち早く気づくことができたり、組合活動の新しいアイディアも見つけられたりすると思われ、今回のような交流は双方にとっても良いと思いました。

 その後、テレビ局の通常は入れない場所に入らせていただき、見学させていただきました。MBSの心臓部である主調整室、サブと呼ばれる副調整室や実際収録が行われていたスタジオを見学させていただきました。このような企画がなければ一生見ることはなかったと思います。MBSでどのように人が働いていて、どのように番組が作られているかの一端を知ることができました。

大変貴重な機会でした。MBS労組にはこの場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。

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