大阪自治労連書 記次長 仁木 将
大阪自治労連は、21春闘の中で、コロナ禍だからこそ、公務公共職場の労働組合が地元商店街に一歩足を踏み出し、くらしの実情と願いを受止め、住民の本位の行政の具体化をめざす運動として「なんでも相談会と商店街実態・要望アンケート」に取り組みました。
大阪グリーン会館を拠点に天神橋筋商店街1~3丁目の商店と周辺の住民を対象にし、事前に商店街振興組合の会長へ申し入れをしたところ、「良い取り組み。ぜひやってもらいたい。」と非常に好意的に受け止めていただきました。また、1週間前には商店と住宅約2600戸へポスティングし、南森町駅にて宣伝も実施しました。
好意的な対応と切実な実態・要望
2021年4月4日(日)当日の商店街アンケートは、昼間の忙しい時間でしたが、多くの商店に協力いただきWebや返送による回答ふくめ、現在68件の回答が寄せられています。取り組みは好意的に受け止められましたが、その回答は切実なものでした。
「売上がどうなったか」の質問には64%が「売上げが減っている」との回答(別表1)、売上減と答えた商店の4割が「売上が半分以下」になっているという結果でした(別表2)。
国や大阪市に望むことを選ぶ質問では、一番が「厳しい現状をきいてほしい」約60%でした(別表3)。自由記入欄には、度重なる緊急事態宣言に振り回されていること、給付金・支援金の給付の遅さなど多くの意見が寄せられています。「ぜひ私の思いを反映してほしい」と、後日事務所に来られた方もいました。
改めて感じたことは、国も大阪市も、コロナ対策で、住民や商店の願いに寄り添う行政運営ができていないことです。何よりも、実情を把握しないまま(あるいは無視して)、一方的に「お願いする」ばかりの政策になっていることは、要望の一番が「厳しい現状を見てほしい」となっていることに表れています。
加えて、政策と住民の間の大きなギャップは、その狭間で苦労と悩みを抱え仕事をせざるを得ない職員や公共関係労働者を生み出すこととなり、大阪府職労が保健所などの現場の声を連日SNSで発信している内容がまさにその実態となっています。
だからこそ、私たち労働組合が職場や地域に働きかけ、声を聞き、運動につなげることが求められていると感じました。
(別表3)
多くの団体の協力で実施できたことの成果と、必要な人に届けられる工夫が課題に
食材提供コーナーでは、「仕事を失い、まもなく雇用保険が切れる今後の生活が不安…」という 代の女性、「仕事が見つかり働きはじめたが、今日明日の食べ物が無くて…」と年配の男性、「SNSを見て…」という学生もいました。どなたも、当座の食材を手に、ホッとした表情をされていたのが印象的でした。
この取り組みは、大阪公務共闘主催で、大阪労連や民主団体などに呼びかけ実行委員会形式で開催しました。現場の組合員は、商店街アンケートや宣伝行動など表に出る取り組みに参加するなど、コロナ対策を図りながら全体で70名のスタッフが集まりました。
子どもの貧困問題大阪ネットワークなどの協力で、大生連や民医連、教育相談研究所や社会福祉施設同友会など、また、大阪自治労連弁護団も含め、生活・健康・子育て・教育・労働など多様な相談対応できる体制が組めました。相談件数は5件と少なかったため、本当に必要な人に届けるための宣伝ややり方を探っていくことが次回以降に求められています。
引き続き、取り組みへのご協力をお願いします。