大阪労連非正規労働者部会 部会長 嘉満 智子
2017年10月14日(土)天王寺区民センターにて、「第21回パート・非常勤・ヘルパー・派遣労働者のつどい」を開催し180人が参加しました。オープニングは、実行委員メンバー+αでこのつどいのために結成した「最賃あげあげKIT」による演奏で始まりました。
メインは、全国的に最低生計費調査に取り組んでいる静岡県立大学短期大学部の中澤秀一さんを招き、最低賃金のあり方について講演していただきました。「ますます深刻化する貧困と格差、7人に1人が『相対的貧困』状態、これらの諸問題解決のカギを握っているのが最低賃金。日本は、すべての人にここまでは保障しましょうというルールを確立してこなかった。フルタイムで働いてもきちんとした暮らしが可能となる賃金を受け取れないのはおかしい。最低生計費調査は要求の根拠となる “あるべき ”ふつうの暮らしを実現する第一歩となる。これからの運動は、根強く残っている雇用における差別を克服し、最低賃金を一部の人たちの問題とせず、自分たちの問題として取り組み、広く世間にアピールして合意形成をしていく必要がある。」と労働者がふつうに暮らせる最低賃金額の実現に向けた運動のあり方が語られました。
運動交流では、大阪教職員組合、福祉保育労、大阪自治労連、全国一般、ヘルパー労組連絡会、パート・非常勤連絡会の6団体から報告がありました。「正規に仕事を教えていても、非正規だから責任がないからと差別される。」「長年勤めていても来年雇用されるか分らない。」など職場の実態やたたかいを、詩の朗読や寸劇で発表しました。特にパート・非常勤連絡会は、「無期転換ルール」について自分たちがどうすればいいのかを分りやすく伝え、無期転換時に不当な労働条件の改悪には応じないようアピールしました。笑いを交えながらしっかりと中身を伝える寸劇はつどいの定番となっています。
争議報告では、労働契約法20条裁判(郵政ユニオン)、吹田市非常勤雇止め裁判(吹田関連評)の報告があり、守口学童の仲間からは、学童保育の民間委託が検討されており、指導員の雇止めが危惧されることも報告されています。維新市政の元での民間委託と一体となった非正規の雇止めをこれ以上繰り返すことは絶対に許してはなりません。
1996年 月に第1回目のつどいを開催し、今回で21年目を迎えました。これからも、様々な職場で働く非正規の仲間が集まり、学習・交流し、元気になるつどいをめざしていきます。