弁護士 宮 本 亜 紀
2014年6月5日(木)18時30分からエルおおさかにて、「安保法制懇のデタラメを突く!集団的自衛権を許さず、特定秘密法の廃止に向けて『今、この国で何が起こっているのか』~確信から展望へ」の学習会を、自由法曹団大阪支部主催、秘密保護法廃止ネットワークおおさか(略称:秘密ネット大阪)共催で行いました。
秘密ネット大阪には、民法協も参加しています。昨年12月6日に国会で特定秘密保護法が強行採決されましたが、その後も反対する国民の声は止むことなく、全国で個人・団体が廃止を求める活動がされています。それら活動の情報を集約し発信する情報センターとして、関西MIC、大阪労連、国民救援会大阪府本部、民法協、自由法曹団大阪支部、憲法会議が集まって事務局を作っています。そして、自由法曹団大阪支部は、昨年12月から特定秘密法廃止対策チームを作り、秘密法だけでなく戦争する国作りの総合的な政策が進んでいることを分析・整理して展望を示そうと、詳細なパンフレットを作り、1部100円で広げ、どんな小さな学習会でも要請があれば講師に駆け付ける活動をしています。同パンフレットは4000部を普及しました。
本年5月15日には、安倍首相の私的諮問機関である安保法制懇が、集団的自衛権行使を解釈改憲で認める報告書を出し、安倍内閣が閣議決定だけで、憲法9条を無視する暴挙を進めています。この緊急情勢の下、闘いの先頭に立ってきた自由法曹団大阪支部長の伊賀興一弁護士を講師として、「この国で何がおこっているのか、起こされているのか」を確信して闘いの展望を持つために、冒頭の学習会がありました。
伊賀弁護士は、市民は、戦争をする動きを感じ不安や怒りを持ちながらも、平和な国家への安心感と期待があり、論理矛盾のでたらめな安倍首相の説明に、集団的自衛権について「よくわからない」が多数を占めていると指摘しました。「国民経済の土台を破壊した不安定雇用の問題の抜本的解決と、平和国家としての展望を示すことこそ、この国の喫緊の課題」であり、政府は打開策が持てず、「安全保障があたかも最優先課題」とする政策が、国民との最大矛盾であるとの視点が示されました。そして、集団的自衛権については、国連憲章 条の成り立ちと過去のアメリカのベトナム侵略等の集団的自衛権の乱用例から、『最小限の』集団的自衛権が論理矛盾であることが説明されました。また、特定秘密法の施行は、「政府のつく嘘がばれない仕組み」になり批判を封じ、公務員を「公僕から私僕」に変質させ、国会での議論さえ封じること、盗聴、共謀罪などの治安強化へすすみ、その政治の延長に軍事国家があることが示されました。しかし、自民党幹部が「今しかない」と発言するのは、自民・公明内部からの批判や反対の存在を示唆しているので、政府の動きを「おかしい」と感じている人との共同の土台は無限で、展望があると締めくくられました。地道な活動をしている暇はないと焦らされる急展開ですが、政府の設定した枠組みに捕らわれるのではなく本質を突いた活動が、閉塞感を打開できると感じました。