事務局長・弁護士 中 西 基
4.14 「STOP!! 派遣法の大改悪」集会が、労働運動の潮流を越えた連帯をめざして、在阪の法律家8団体の共催で開催されました。380名を超える参加者があり盛況でした。
たつみコータロー参院議員(共産)が出席されたほか、山下芳生参院議員(共産)、尾立源幸参院議員(民主)、辻元清美衆院議員(民主)からメッセージが届けられました。大阪弁護士会からも、副会長が出席され、「弁護士会は強制加入団体なので、様々な立場や考え方の弁護士がいるが、今回の労働者派遣法改正法案については、日弁連も大阪弁護士会も反対の立場で一致している」との御挨拶をいただきました。
集会では、民法協会長の萬井隆令先生(龍谷大学名誉教授)に、「安倍政権・雇用規制緩和と派遣法改悪の焦点」と題して基調講演をしていただきました。萬井先生は、今回の派遣法「改正法案」は、①すべての業務について、派遣元で無期雇用であれば派遣可能期間の制限なし。②派遣元で有期雇用であっても、派遣先は労働者の過半数代表の意見聴取さえすれば3年ごとに労働者をAからB、BからCと変えて派遣を利用し続けられる。③派遣労働者に有効・確実な雇用安定制度はない―3年で自動的に派遣を切られ、別の派遣先がなければ失業する。というものだと分析されました。
つづいて、東京の棗一郎弁護士(日本労働弁護団常任幹事)に、最新の国会情勢について報告していただきました。棗先生によると、厚生労働委員会では医療・介護一括法案が審議されているが野党側の反対が強くて審議に時間を要する見込みで、派遣法の審議入りが当初の見通しよりも遅れており、6月22日の会期末までには時間が足りずに継続審議になる可能性もあるとのこと。もっとも、安倍政権は何をしでかすか分かりませんから、気を緩めずに法案に反対の声を強めていかなければなりません。
その後、当事者や労働組合から5名の方がリレー発言されました。
1人目は金融ユニオンの女性労働者。職場で非正規労働者が置かれている無権利な状態や、非正規から真っ先に切られていく現実を発言されました。
2人目はなかまユニオンの女性労働者。現行法の派遣受入期間制限(3年)を脱法するために、会社から「3ヶ月間休んで」と言われたとのこと。「休んで」という言葉だけど、その間は解雇状態で、給料も出ないし、再び雇用される保障もありません。
3人目はゼネラルユニオンの委員長。非正規であっても働かざるを得ない現場の労働者と、非正規をなくせという運動とが、分断されることなく、非正規労働者自身が立ち上がり、声を上げていくことができるように力をあわせようと訴えました。
4人目はコミュニティユニオンネットワーク関西の事務局長。安倍首相は「賃上げ」を主張しているが、結局、それは正規労働者だけ。しわ寄せはもっとも弱い非正規労働者に押し付けられると批判しました。
5人目はJMIUダイキン工業支部の青山さん。不当な大阪高裁判決に対して引き続き闘っていく決意を述べられました。
さらに、非正規全国会議の事務局長である村田浩治弁護士から、派遣法改正法案をわかりやすく解説した特設サイトの紹介と、インターネット署名活動の訴えがありました。
最後に、集会アピールが提案され、満場一致で確認されました。
今回の派遣法「改正法案」は、希代の大改悪だということをもっと広めて、党派や潮流を越えて一致して廃案に追い込むために、引き続き、頑張りましょう!