民主法律時報

大阪自治体問題研究所創立40周年シンポジウムに参加してきました

弁護士 城 塚 健 之

 8月31日、シティプラザ大阪にて開催された大阪自治体問題研究所創立40周年記念シンポジウムに民法協を代表して参加してきました。
 ここで自治体問題研究所についてなじみの薄い方のために、簡単にご紹介しておきますと、これは、1973年、都市問題、公害問題等の深刻化と住民運動の高まり、それを受けた革新自治体の誕生などを背景に、研究者、大阪衛都連(吹田市職労)、住民が一体となって、地方自治を前進させるための理論活動の場として設立され、それが全国に広がっていったものです(大阪衛都連は、現在は大阪自治労連の補助組織)。
 私も、2000年から保育所の民間委託の問題をきっかけに研究所に関わるようになり、その後、公務の市場化の問題、また、この2年ほどは橋下維新の会とのたたかいに関連して、いろいろと執筆やお話をさせていただく機会も与えていただいているところです。

 さて、当日は、まず自治体問題研究所(全国研)理事長でもある岡田知弘・京都大大学院教授が「住民本位の被災地の復興と大阪の再生を考える」と題して講演されました。そして、これを受けて、岩手県遠野市で被災地の支援に取り組んでこられた菊池新一さん(NPO法人遠野山・里・暮らしネットワーク会長)、堺市を消滅させる大阪都構想に反対する運動を進めてこられた久保照男さん(堺市堺区湊西校区自治連合協議会会長)、そして大阪自治労連委員長の大原真さんが、それぞれの立場から、地域の再生、住民と公務労働者の果たす役割について語られました(コーディネーターは中山徹・奈良女子大教授)。

 私は、最初、「被災地の復興」と「大阪の再生」とがどうつながるのだろうかと思っていたのですが(実をいうと、あとで岡田先生も、どう結びつけるのか悩んだとおっしゃっていました)、新自由主義のもたらす地域間格差の広がりの中で地域経済が疲弊していること、それを打開するのに災害資本主義や橋下改革への期待が一方であるが、それは東京の大資本に利潤を吸い上げられるだけに終わり地域経済には貢献しない、やはり地域を中心に考えるべきであり、そのためには住民と自治体労働者が手を携えなければならないことなんだと理解できました。

 レセプションでは、衛都連、大阪自治労連の元役員のみなさんの懐かしいお顔もたくさん拝見しました。藤永のぶよさん(理事)と平井堅治さん(事務局長)の司会はなかなかのもので、私もご挨拶の機会を与えられ、ぜひ若手の労働組合員や弁護士が多数参加する研究所にしてほしいとのエールを送らせていただきました(というわけですので、民法協の若手のみなさんも、ぜひ、大阪自治体問題研究所にご加入下さい)。

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