1 感染拡大を招いた維新府政の失態
新型コロナウイルス感染者が増加の一途をたどり、大阪では、連日1 万人を超える感染者が確認されている。 大阪府内の新型コロナウイルスによる死者数は3000人を超えており、 全国ワーストである 。
大阪府内の保健所は政令・中核市を含め18 カ所にとどまり 、 大阪市内には保健所は1ヶ所しかない。 大阪府の保健所職員数も削減され、府立病院への府の財政負担も大幅に削減され続けている。科学的知見の無視、自己責任論、医療と公衆衛生の切り捨てなど、命と健康を軽視する維新府政による大失政が、昨今の感染拡大を招き、府民の命と健康を危険に晒している。
2 過労死ラインを上回る保健師、保健所職員の長時間過密労働の実態
感染拡大による保健師、 保健所職員へのしわ寄せも深刻である。 大阪では、第4波や第5波のときには、 多数の保健師や保健所職員の時間外労働時間が月100時間以上であった 。現場からは、保健所体制の強化、保健師の計画的な採用や保健所職員の定数を増やしてほしいとの声が相次いだ 。しかし、吉村府知事は現場の声に耳を傾けず、職員の大幅な増員には消極な姿勢を示している。
第5波から約3ヶ月あったにもかかわらず 、 大阪府は保健所体制の強化を怠ってきた。その結果、保健所は逼迫したままであり 、現場の職員は今もなお過労死ラインを超える長時間労働を強いられており、職員の負担は増すばかりである。職員からは、「 第4波の時から改善するどころか悪化している 」、 「公用携帯電話の持ち帰りで夜間にも 対応しているが、深夜の電話対応でほとんど眠れずに翌朝出勤することも頻繁にある」、「このままでは重症化リスクのある方への連絡、対応が遅れることになり、救える命が救えなくなる」といった悲痛な声が多数寄せられている 。
現場の職員の声に耳を傾けて、長時間労働の抑制や人員増員など、職員の負担を軽減すべく、保健所体制を強化することが急務である。
3 無為無策のコロナ対応に対して無批判のメディアの責任は重大
吉村府知事は、連日のようにメディアに出演している。しかし、具体的なコロナ対策は提案されず、空虚な言葉が繰り返されるばかりであ り、保健所の逼迫状況が語られることもない。
メディアの任務は、権力を監視し、暴走を止めることである。しかし、無批判な在阪メディアが権力を暴走させ、大阪府の無為無策のコロナ対応に拍車をかけている。在阪メディアの責任も重大である。
4 府民と職員の命と健康を守るためのコロナ対策への転換
民主法律協会は、府民の命と健康を軽視し、無為無策のコロナ対応を繰り返す維新府政に対して強く抗議するとともに、府民と職員の命と 健康を守るコロナ対策への転換を求める 。
2022年2月19日
民主法律協会2022年権利討論集会