民主法律時報

街頭宣伝の自由確立をめざす 大阪各界懇談会(大阪街宣懇) 第9回総会を開催

大阪労連 遠近 照雄

2021年6月21日、街宣懇再開後、第9回目の総会を開催し、35名が参加しました。

1  集合ポストへのチラシ投函は違法ではない!
最初に三鷹市議会議員の野村洋子さんがビデオレターで、「2020年2月27日、東京地裁は、政治団体が、チラシお断りの張り紙があるマンションの集合ポストにチラシを配布するために、エントランスに立ち入った行為について、①チラシお断りの貼り紙があっても、チラシ投函行為は違法ではない、②施錠されていないマンションの玄関で、市議会議員の活動を報告するチラシを投函するといった一般的な配布行為は、受忍限度の範囲内であり、違法とはならない、③施錠されていないマンションの玄関部分に入るだけでは建造物侵入罪にはあたらない、といった判断を示しました。その後最高裁で東京地裁の判決が確定して『当たり前の活動ができることにホッとしている。この判決を活用しながら、活動していきたい。みなさんの活動にも活用していただきたい』と表現の自由が守られた」と述べました。

2 ドアポストへのビラ配布は許されないのか?
次に、自由法曹団元事務局長の西田穣弁護士(東京東部法律事務所)に「ビラ配布の自由を考える」とのテーマでオンラインにて講演をいただきました。西田弁護士は、2004年に起きた葛飾ビラ配布弾圧事件(マンションのドアポストに区議団だよりなどを配布したことが住居侵入罪で「有罪」とされた不当判決)の弁護団でもあり、最高裁がドアポストへのビラ配布行為を「有罪」と判断したことに対する怒りを示されました。投函場所がドアポストか集合ポストかで違法か適法かを区分することは適切ではなく、ドアポストへのビラ配布は居住者の生活の安全を脅かすものではない。ビラ配布は表現の自由として保障される重要な権利であり、ドアポストへのビラ配布行為が許されないとした最高裁判決はあまりにも安直すぎると疑問を呈するとともに、最高裁判決が判断を誤ったことが集合ポストへのビラ配布に対する「慰謝料10万訴訟」濫発の引き金となっているとして、表現の自由に対する最高裁判所の無理解を厳しく批判されました。西田弁護士の講演は、「原則自由」という私たちの運動に確信と誇りをもつことができるお話でした。

 議案提案では、この1年間干渉事例報告が3件しか寄せられなかったこと、干渉がなくなった(減った)のか、報告の周知・徹底ができていなかったのか、干渉があっても干渉と思っていないのか等、引き続きの議論と干渉事例報告の徹底を強調しました。
参加者からは、ビラ配布の際、マンションの管理人からビラ配布を断られたが、後日、管理組合に申し入れたところ、役員会で一人の役員から、「国民には知る権利がある」「一戸建では配布されている」との意見が出され、以降、ビラ配布ができるようになった、との教訓もだされました。総会議案の活動及び会計報告、活動方針、役員体制等は拍手で承認され街宣懇総会を終えました。

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