民主法律時報

「国有地低額譲渡の真相解明を 求める弁護士・研究者の会」が結成されました

弁護士 岩佐 賢次

 学校法人森友学園へ国有地が著しく低額に譲渡された問題について、4月に「国有地低額譲渡の真相解明を求める弁護士・研究者の会」が結成され、私はその事務局として活動しています。「弁護士・研究者の会」は、280名の賛同を得て、4月28日に、近畿財務局に対し、真相解明のための第三者委員会の設置や交渉記録のデータ保存を求めました。その後の記者会見では国有地の適正な価額について独自の調査結果に基づく試算を公表し、新聞、テレビのニュースで取り上げられました。近畿財務局からは、会計検査院の検査があることなどの理由で第三者委員会の設置は行わないとの回答があり、交渉記録のデータ保存については何ら回答がありませんでした。

国会では、野党議員からの追及に対し、財務省の官僚は苦し紛れの答弁に終始し、「交渉記録はすべて廃棄した」、「価額は適正だった」の一点張りです。深さ3メートルより下に廃棄物が存在していないとする小学校建設の設計業者が当時の森友学園顧問弁護士に宛てた電子メールが発見されるなど、官僚らによるこれまでの国会答弁との矛盾も明らかになっています。

続く第2の森友事件と言われる加計学園による岡山理科大学獣医学部設置に関する問題でも、官邸サイドは明らかになった議事録を「怪文書」扱いし、情報隠しどころか、読売新聞と結託して情報発信をした前文科省事務次官の前川氏つぶしに躍起になるなど、異様な事態となっています。
官邸サイドは、森友学園問題や加計学園問題をうやむやにしたまま幕引きを狙っているようですが、そうはさせません。

先の近畿財務局からの回答を受けて、6月6日には、「近畿財務局と森友学園及び森友学園以外の者との面談・交渉記録の文書、電磁的記録の開示請求」の本訴を大阪地方裁判所に提起しました。同時に、国有地低額譲渡の真相解明のために「面談・交渉記録」の廃棄・改ざんの禁止及び「デジタルフォレンジック調査をして文書を保存せよ」との仮処分の申立も大阪地裁に行いました。

「弁護士・研究者の会」は、公益通報の呼びかけ、情報公開制度を駆使した資料収集等、他分野の専門家の協力も得ながら独自の調査活動を続け、記者会見、ホームページ、ツイッターやファイスブック等での情報発信を今後も続けます。数々の虚偽答弁、情報隠しという官邸・与党による国会軽視という事態に、私たちはこれを民主主義への挑戦と受け止め、法律の専門家としてやれる活動は何でもするという気迫でこれからも挑みつづけます。どうぞご支援ください。

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