弁護士 冨田 真平
68期弁護士の冨田真平と申します。2016年4月4日に行われた民法協・派遣労働問題研究会新人歓迎企画「読売テレビ訪問ツアー」に参加させていただきました。
この企画では、読売テレビ労組を訪問し、読売テレビ労組の現状・取り組みなどについてお聞きするとともに、今後の取り組みについての意見交換を行いました。
読売テレビ労組の報告では、まず読売テレビの正規、非正規それぞれの職員数及び組織率についての報告がされました。派遣などの非正規職員の数が、正社員の約3倍の数に達していること、他方で正社員の高い組織率に比べ、非正規職員についてはなかなか組織化が進んでいないことが報告されました。また、読売テレビ労組の非正規問題への取り組みについても報告がされ、昨年子会社の有期社員について、組合の取り組みにより、無期への転換が行われたことや、現在の派遣・偽装請負問題についての取り組みなどが報告されました。
その後に行われた質疑応答、意見交換では、派遣労働者の待遇・それぞれの派遣労働者の意識などについて、報告・意見交換が行われ、また、読売テレビ労組に持ち込まれた、個人請負契約と派遣契約を併用されていたが、派遣契約への一本化を求められた、という相談についての検討も行われました。
報告・意見交換の後には職場見学も行い、放送局での現場の仕事が実際どのようなものかについてお教えいただきました。
今回の企画では、改めて放送業界での非正規の多さ、非正規問題に取り組む必要性の高さを感じると共に、非正規の問題に取り組む際の困難さを感じました。そのような中で、派遣など非正規の問題に困難を抱えながらも真剣に取り組んでいる組合の姿に感銘を受けました。
労働問題に取り組む上で、現場の実態を知ることが不可欠であり、特に派遣問題に取り組む上では、派遣労働者の待遇・それぞれの派遣労働者の意識、正社員の派遣労働者に対する意識など現場の派遣労働の実態を知ることが不可欠であると思います。今回の企画で、放送業界の労働現場における派遣労働者などの労働者の実態を知ることができ、非常に勉強になりました。今後も是非このような機会を設け続けたいと思います。
最後になりましたが、今回の企画において多大なご協力を頂きました読売テレビ労組の方々に、この場をお借りしてお礼申し上げたいと思います。