JAL不当解雇撤回裁判原告 西 岡 ひとみ
新年明けましておめでとうございます。
いつもご支援をいただき、本当に有難うございます。
私達原告団は昨年3月、東京地裁での「解雇は有効」との判決を受けまして、4月に東京高裁に控訴いたしました。
第1回控訴審はパイロットが昨年12月6日、客室乗務員は12月14日行われ、第2回の期日はそれぞれ、2月7日、3月1日となっております。
高裁勝利へ向け12月18日に行われました集会には、衆院選直後であり年末の慌しい中であるにもかかわらず、100名近い方々にご参加いただき、おかげ様で大変盛り上がった会となりました。
萬井隆令先生の開会のご挨拶に始まり、東京からお越しいただいた牛久保秀樹弁護士による「ILO勧告の意義と活用」の学習会、航空連事務局長、津恵さんの「今後のたたかいと当面の行動提起」、原告団の決意表明、最後に梅田章二先生によるご挨拶、航空連大阪地連平井事務局長による「団結ガンバロー」で締めくくっていただきました。
集会のメインである牛久保先生のお話はとてもわかり易く参加された方からも好評でした。
2010年12月9日、私達対象者に会社から「解雇予告通知書」が送られてきました。
同年12月13日にILOに書簡を提出、12月26日にはILOから日本政府にILO条約に沿った対処を要請しています。
しかしながら日本航空が12月31日に解雇を実行したため、翌2011年2月に、ILO駐日事務所に結社の自由委員会宛の申立書要約文、及び申立書本文を提出し受理されました。
また5月には原告団が要請団としてILO本部を訪問しています。
2012年3月29日、30日の東京地裁判決(原告の請求を棄却)を受け4月30日に地裁判決要旨をILOに提出し、6月15日ILO第315回理事会で勧告が採択されました。
この「ILO結社の自由委員会」及び「ILO理事会」の勧告には大きな意義があります。牛久保先生が指摘されている点は今回の勧告により「日航の整理解雇案件がILOの監視下に置かれた」と言う事です。
今回の是正勧告を受けて日航案件は、ILO結社の自由委員会のフォローアップ(追跡検証)手続きの対象として位置付けられます。政府、申立人からの追加情報を受けて、今後状況に応じてILOから追加勧告が出されることになります。ILOはその事を「again and again 」と表明して、解決するまで継続する、としています。
勧告の主な内容は大きく分けて以下の3つです。
(a) 委員会は従業員の人員削減の過程において、労働組合と労働者の継続する代表者が役割を果たせるように、関連する当事者間で協議が実施されることを確実に保障するよう日本政府に要請する。
そして、(b)整理解雇された148人が2011年1月に会社を相手取り、東京地裁に提訴し、労使間に法的拘束力のある雇用契約が存在していることを認めるよう、裁判所に要求していることに対して、委員会は当該の裁判の結果に関する情報を提供するよう日本政府に要請する。とし、
(c) 再建計画を策定する場合、そのような性質の計画が労働者に及ぼす悪影響を可能な限り最小限に止める上で労働組合は主要な役割を担うため、委員会は労働組合と十分かつ率直な協議を行う事の重要性を強調する。委員会は日本政府がこの原則が十分に尊重されることを確実に保障するよう、期待する。
としています。
今後政府と日航経営者がこの勧告を守るように、私達原告団はこの内容について学習を深め、また広くこのILOの勧告について皆様に知っていただけるように運動を広める取り組みをしていかなければならないと思っています。
国労闘争の際にはILOから9回の勧告が出されたと伺っています。
そして原告団がILO本部を訪問した際「国労の件が解決したところなのに日本政府はどうなっているのですか」と聞かれたとうかがいました。
更に昨年10月に来日されました、ILO国際労働基準局次長のカレン・カーチスさんは、客乗の内田団長と懇談した際に、本件解雇後会社が940名の客室乗務員の新規採用を行ったと聞いて、「94 名ではなくて?」と大変驚かれていたそうです。
誰がみても非常識な本件解雇と日航の経営を改め、皆様に安心と安全とお届けできる航空会社としてJALが真の再建を遂げる様に原告団も頑張って参りますので、今後ともご支援をどうぞよろしくお願いいたします。