Q:大阪維新の会は、公務員組織を民間と同じ「ふつうの組織」にするとして、条例案を提出すると説明しています。民間と同じ「ふつうの組織」にするとは、どのような公務員組織づくりをねらっているのでしょうか。
A:条例案では、職員の人事評価は、能力と業績に基づいてなされることとされますが、ここでいう「業績」とは組織の業務目標に応じて評価されます(8条1項、2項)。しかも、職員人事の基本は、任命権者等が定めた業務目標を最も効率的かつ効果的に達成することを目的とすると定められています(3条1項)。要するに、知事が定めた目標に従う公務員づくりが条例案のねらいであり、「ふつうの組織」とは、トップの言うことに従う組織ということです。
このような観点からなされる職務命令に違反した職員に対しては、減給・戒告といった懲戒処分がなされます(31条)。5回目の職務命令違反や、同一の職務命令に対する3回目の職務命令違反で、分限免職とされます(32条1項)。
上官の言うことに従え、違反者は厳罰に処する-まるで軍隊みたいですね。これが「ふつうの組織」なのでしょうか。
地方公務員は、住民の福祉の増進という地方自治の目的に従い、住民のニーズと向き合い、それを地方公共団体の運営に生かしていくというボトムアップ式こそが、公務労働の現場にふさわしいあり方ではないでしょうか。トップダウンで目標を押しつけ、その達成を強要する組織では、住民よりも、知事や上司の目ばかりを気にする「ヒラメ」公務員が増えてしまいます。そんな組織など、住民の誰も求めていません。